今、小説家になるために必要なもの(14):あとがき

(このカテゴリは続きもののため、未読の方はぜひ第一回「今、小説家になるために必要なもの(1)」からどうぞ)

キミにとっての正解

このカテゴリはこれで終わりだ。

さて。

読み終えたキミは、果たしてどのように作家としてのキャリアを進めるつもりだろうか?

やっぱり新人賞から出ようとする?

なろうのような投稿サイトであらかじめファンをつけながら出版社から声がかかるのを待つ?

Pixivやニコニコに載せてみる?

KDPに手を出す?

ブログやSNSで公開してみる?

ゲームアプリにしたててみる?

あるいはYoutubeに出してみる?

キミにとってどれが正解か、それは僕にはわからない。キミにもわからないだろう。たぶん誰にもわからない。

何を成功と定義するか、何を失敗と定義するかによっても、答えは違ってくる。まあ、何をどう定義したとしても、どのみち最初はうまくいかないだろう。

でも、別にそれでいいのだ。反省を踏まえて再度作戦を練ろうとすることができるなら、それは決定的な失敗にはならないし、決して負けではない、と僕は思う。

それこそ、全く別の道を歩むという結論に至ったとしても、それは大いなる前進であり、大いなる成果だ。どんな結論でも、経験と熟考に裏打ちされたものなら、絶対に価値がある。

このカテゴリの本質

実を言えば、この「今、小説家になるために必要なもの」に記した情報は、今から数年前に書いたものがベースになっている。だから、最新の小説前線とは少し違う。

でも、出版業界の置かれている立場は改善の兆しを見せるどころか悪化の一途をたどっている。時代は不可逆的に変わっているのだ。もう元に戻らない。それは単純に、純然たる事実だ。このカテゴリに書いたことは、何一つ本質的に変わらない。

このカテゴリの本質とは何か。それは、最後に記した、カテゴリを通じて解き明かした以下の結論だ。

デビューに必要なのは、ファンである。

今も昔も、長く愛してくれるファンを獲得するのは、魅力的なブランドだけだ。

自身が魅力的なブランドになるよう尽力する。やり方や結果は千差万別だろうが、そのセルフブランディングこそが、キミという小説家志望者の光明になる、僕はそう確信している。もっとも、これはキミに向けた言葉であると同時に、僕自身に向けた言葉でもあるのだけれど。

最後に、キミの小説が一人でも多くの人に愛されることを心から願っている。

おわり