小説の書き方(企画編)

この「小説家の手のうち」というブログでは、小説を書くにあたってのテクニックを色々紹介している。そんなテクニックのうちで、小説の「企画」をする際に利用できるエントリたちを、ここに一覧化しておこう。

なお、本エントリ以外にも、「小説の書き方」シリーズとして以下のエントリを用意しているので、合わせて参照してもらえると嬉しい。

小説の書き方(意識編)

小説の書き方(執筆テクニック編)

では、本題に行ってみよう。

ライトノベルの企画

一般文芸の世界は分からないけれど、ライトノベル業界において小説家は小説を書くにあたり「企画」というものを編集者に提出する。

編集者がその企画にOKを出したら、今度は編集者が編集長(場合によってはそれ以上の立場の人)にその企画をプレゼンする。

そしてOKが出れば、晴れて小説家は執筆に取り掛かることができる。

つまり、プロのライトノベルの世界では、企画を通さないことには始まらない。

「これは面白いんです、なぜなら〜」という売りの部分が手にとって分かるようにしておかないと、編集者に受け付けてもらえず、当然出版社に本にもしてもらえない。

執筆させてもらえないし、勝手に執筆したとしても門前払いになる。

もちろん、超売れっ子作家なら「何となく書きました」という小説でも商品になってしまうこともあるだろうが、基本的にはそんな都合の良い話はない。

アマチュアの企画

プロのライトノベルの世界では、企画にお墨付きをもらわないことには、次のステージに進むことができない。一方、アマチュアの世界では、そんなケルベロスみたいな地獄の番犬はいない。

どんな企画を打ち立てても自由だし、書くも書かないも自由。公開するのも、お蔵入りさせるのも自由。お金を儲けようとするのも、タダでばらまくのもこれまた自由。

だから、キミの書く小説はどこまでも自由であっていい。

ありきたりなストーリーラインでも、キミがその物語を面白くする自信があるなら、書いてしまっていい。

あるいは、周囲の期待や目を気にせず、ミステリーを書いて、SFを書いて、恋愛小説を書いて、といった具合に、色々なジャンルを書いてもいい。

でも、仮にキミが出版社と仕事をし、本屋に本を並ばせようと思っているなら、企画というものについて知っておいても損はない。そして、そこで使われるテクニックについても、やはり覚えておいて損はない。

企画の時に利用するテクニック

では、企画を立案する際に利用できるエントリの紹介をしていこう。

ちなみにいうと、ここでいう企画とは、「20〜30文字程度のキャッチコピーと、400文字程度のあらすじレベルの企画書を提出する行為」だと思っておいてもらいたい。短編連作だったら、企画にGOが出たら一話二話くらいすぐに書き出せるくらいの構想は持っておく、くらいの感じだ。

企画のキャッチコピーを作る際

企画のキャッチコピーを作る際に参考にしてもらいたいエントリは以下となる。

通りやすい企画、通りにくい企画

失敗作が生まれる仕組み

小説における「新規性」について

上記のエントリで言っていることを端的にいうと、

  • アマチュアなら、好きなもの、全力を注ぎこめるものを企画すべき。
  • プロなら、関係者(編集者、読者)に対する心配りをしながら、自分に求められているものを企画すべき。

といったところになる。

あらすじ、プロットを作る際

あらすじ、プロットを作る際に参考になるエントリは以下である。

「なぜ人類は物語を語るのか」の答えは、キミの小説を「物語」に仕立て上げる

いびつな設定の裏には小説家の◯◯が隠れている

主人公に感情移入するということについて

小説の物語展開に正解/不正解は存在するか

新人賞に応募しても確実に落ちる作品とは

プロ&プロ志望者にとって梗概が重要ないくつかの理由

これらに目を通し、企画段階でのあらすじ、プロットを作り上げる際の参考にしてもらいたい。

プロットに関しては体系だった説明ができていないが、あえて端的にいうとすれば「きっちりと物語として成立させるべし」というところだ。

物語として成立させるというのは、「ちゃんと事件を起こし、ちゃんと謎を作り、ちゃんとそれを納得できる形で片付ける」ということに他ならない。

おわりに

さて、今回は企画の段階で使われるテクニックのことが記されたエントリを列挙してみた。

プロの小説家としては、通る企画を作り上げることは必須科目であり、重要事項だ。

ただ、アマチュアでやっている人たちは、のびのびと自分が書きたいものを書きたいように書いた方が絶対に良い結果が出るだろう。僕はそう思っている。

書いている本人が楽しめる方が、作品をよりよくしていく活力が湧くし、より長く続けることができる。継続していれば、いずれは花開くこともある。誰かに注目されなくとも、自分自身がその開いた花を愛でることができれば、それもまた一興だ。

それに、本屋に本が並んだところで、残念ながら読む人は限られているわけだしね。

活用されたし。