さて。今回のエントリは読書について書こうと思う。
今までのエントリ(小説家が小説をいかに書いているか)とは少し毛色が違うかもしれないけれど、僕が久しぶりにライフスタイルが変わる革命的なものと出会ったと感じたので、共有したいのだ。
もう既に採用している人もいるだろう。「何を今更……(苦笑)」と思う人もいるかもしれない。でも、知らずにいるのはもったいないので、ここに記す。
では、その革命について語ろう。
革命的な読書
キミたちは小説を書くために小説を読むだろうか。あるいは、小説を書くために小説以外の本、例えば技術書や専門書などを読むだろうか。
程度の差こそあれ、答えは「YES」に違いない。
では、どうやって読むだろう。
普通に本を買ってきて、机の上で開いて読んだり。あるいは、Kindleなどの電子書籍で読んだり。多くは、そんな感じなのではないか。
僕ももちろんそうして読んでいたわけだけれど、最近ことさら採用している読書方法は、こんな方法だ。
電子書籍をスマホの画面読み上げ機能を使って読み上げ、ワイヤレスイヤホンで聞く。
ポイントは二つだ。①画面読み上げ、それから②ワイヤレスイヤホン。
何が革命的なのか
もちろん、「①画面読み上げ」だけでも十分意味をなすが、「②ワイヤレスイヤホン」を導入することで、強烈な化学反応が起きる。段違いな革命が起きる。
どんな革命か?
掃除や洗濯、食器洗いなどの家事をしながらでも本から情報を吸収することができるようになるのだ。あるいはちょっとトイレに行く時にも音声をストップする必要がなくなるし、それを嫌ってスマホをトイレに持っていく必要もなくなる。
学校や会社に行く時、イヤホンを耳にしてスマホを胸ポケットに入れて音楽を聴くように本を読む(聞く)のは、その時点で既に有益だ。しかし、ワイヤレスイヤホンを導入することで家事やトイレなどの時間が俄然意味をなしてくる。その時間がそっくりそのまま勉強の時間になる。それも、シームレスに。
いうなれば、自分の人生にとってさほど重要な意味をなさない(あるいは重要だけど機械的な作業なので積極的な意味を見出せずにいた)時間が、学習のための貴重な時間にそっくりそのまま化けるのだ。
なんと素晴らしい!
この辺りがオーディオブック(あるいはスマホ画面読み上げ)単体で利用するよりも優れている点である。ワイヤレスのイヤホンを使うことで、「よし聞くぞ」という状況を作る必要性が、限りなくなくなるのだ。
もちろん、家事なんて一ミリもしない、という人からすると、それほどの恩恵はないのかもしれない。
しかし、キミの人生にもキミにとってもっと有効活用すべき時間というものがあるはずだ。機械的な何かを機械的にこなすような、人生の浪費とキミ自身が感じている何かが。
そんな人生の浪費を思わせるような時間の時、スマホに電子書籍を読み上げさせ、それをワイヤレスイヤホンで聞いたとしたら、きっとその人生の浪費的時間が、いきなり鮮やかな色合いに染まり上がり、キミの人生を豊かにする「貴重な何か」に化ける。
そう。人生の時間が、それもあまり面白くもなく、意味も見出していなかったような時間が、掛け替えのないものに変化するのだ。
これを革命と言わず何と言おう?
具体的な方法
では、画面読み上げというものは具体的にどうやってやるのだろう。
みなさんがiPhoneを利用しているのであれば、iOSにデフォルトでその機能が備わっているので早速使ってみてほしい。Kindleのアプリから読み上げをしたい本を開き、指をチョキの形に(少し広めに)開いて、画面の上からその二本指を下に向けて下ろす。すると画面の読み上げを早速開始するはずだ(Androidにも、似たような機能がある)。
ワイヤレスイヤホンについては、買ってもらうしかない。
Apple社純正のワイヤレスイヤホンであるAirPodsは、確か2万円くらいしたが、全然元が取れる。このパワフルさを知らなかった時には、正直その価格から購入をためらっていたけれど、今では5万でもためらいもなく買う。10万なら、ためらいながらも結局買う。15万なら、相当ためらいながらもやっぱり買う。
そしてもう一つ。自分の読みたい本は電子書籍になっていない、ということもあるだろう。その場合、本を電子書籍にしてくれるサービスもあるようだ。しかもそれほど高くはない、現実的な値段で対応してくれるサービスが。
これを使えば、蔵書を処分しつつ、読み上げ対象にすることもできる。
詳細についてはネットに情報がいくらでもあるので、ググられたし。
終わりに
前に僕のライフスタイルに革命が起きたのは、乾燥機付きドラム式洗濯機を買った時だった。それまでは洗濯物を洗って干すまでは、遠くへと移動することはできなかった。脱水した洗濯物を長時間洗濯機の中に放置できないからだ。
洗濯物を干した後も、雨が降ったら家に戻らないといけないという縛りがつきまとっていた。いわば、人生が洗濯物によって制御されていたのだ。
でも、乾燥機付き洗濯機を手にしたら、その心配がなくなった。適当に放り込んでおいてもきっちり乾かしてくれるので、洗濯機のスイッチを押した瞬間に外出が可能になったし、雨が降ったからといって部屋に戻って洗濯物を取り込む必要もなくなった。
人生における、不必要な待ち時間や中断がなくなったのだ。
明確に、僕のライフスタイルが変わった瞬間だった。
それと同じほどの衝撃を、革命を、この画面読み上げ+ワイヤレスイヤホンは僕に与えた。
かつて、「洗濯物は乾燥機ではなくて太陽の下で乾かした方が好き」と僕に言った人がいた。それは素晴らしく、美しく、詩的な感性だと思う。大切なものや好きなものがそこにあるなら、効率化なんてする必要はない。「好き」以上に重要なことなんて、僕から言わせれば、ほぼない。
本にしても同じだ。紙の手触りや、ページをめくる感じが好きだという人はいるだろう。それが本を読む一番の意味であり重要なポイントであるなら、読み上げなんてする必要はない。電子書籍で買う必要もない。
だけど、もし仮にキミが情報を手に入れることを目的にその本を開いているのだとしたら、このページにある情報を参考にしてみても良いかもしれない。
大丈夫、得しかしない。
活用されたし。
ライトノベル作家。
商業作家としての名義は「くれあきら」とは別。今は主にブログで小説にまつわるアレコレを配信中。デビューから商業作家時代の話を「今、小説家になるために必要なもの(1)」に書いてます。